VI

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「いつまでそんな子供みたいなことを言っているんだ。だからお前には誰も付いてこない! 雪の女王のように雪の国を支配できていない!」  ヨルクの拳が僕の頬にめり込む。 「従者のクセに主人を殴るなんてとんでもない奴だ」 「不甲斐ない主に仕えているからだよ。だがお前は王だ。いつまでもくだらない思い出に浸ってないで現実を見ろ!」 「......!」  ヨルクはいい奴だ。馬鹿な僕を罵りながらも王だと思って接してくれる。お母様にだって適切なタイミングで橋渡しをしてくれた。今回だってヨルクが正しいに決まっている。  でも、ここで僕が思い出を裏切ったなら、これから先の僕は何を糧に生きていけば良いのだろうか。何を拠り所にすれば良いのだろう。 「もう良い、俺が殺す」  ヨルクが痺れを切らして先に行こうとしたとき、僕はその手を掴んだ。 「いや、僕が行くよ」
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