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VII
***
「どうしよう。こんなことになるなんて」
私ーーイゾルデは大雪の中を重い足を引き摺りながら歩いていた。結局、その人だと思った精霊様は別人だった。
「一目逢いたかった。それだけなのに」
*
15年前、私の命は紙屑よりも価値がなかった。
人間界の7割の領土を占める帝国で、皇帝の愛人の娘として産まれた私は、沢山の兄妹達の中でいつも邪魔者だった。
皇帝は絶世の美女である母を溺愛していたけれど、皇帝似である娘の私には無関心。唯一私を愛してくれていた母は病弱で、私の5歳の誕生日の前に死んでしまった。
悲しみにくれる私に唯一、私をいじめていなかった一つ上のお兄様がこう言った。
“雪の女王にペンダントを持って会えば願いを一つだけ叶えてもらえるぞ”
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