[プロローグ]

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 こんこんと積もっていく雪を見ると思い出すーー。  あれは雪の女王の機嫌が悪かった年、外に遊びに出た僕は大雪の中、うずくまる人間の女の子を見つけた。僕と同じぐらいの大きさなのに、今にも消えそうな灯火を見て、戯れに彼女の周りだけ雪を止めてあげたのだ。  それは二つのおさげを揺らした、5頭身の目のくりっとしたとても愛らしい女の子。彼女は宙に浮かぶ僕を見上げた。 「ねぇ、精霊さん。私、死ぬのかな?」 「バカだね。大雪の中、人間の幼子が一人で山を歩いたら死ぬに決まっている。何をしにきたんだい?」 「雪の女王に会えばなんでも一つ、願いを叶えてくれると聞いたから!」  僕はお腹が捩れるほど笑い倒した。だって、僕たちの女王はそんな慈悲深い存在なんかじゃない。
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