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色のない日々
「俺、彼女いるんだ。」
私の言葉を遮って告げた言葉。朔久が遮ってまで言って欲しくなかった言葉、それは好き。これは振られたってことだったんだよね。優しくしないでよ。振るくらいなら、好きじゃないなら、私の過去なんてどうでもよかったじゃん。なんで、?バカだなぁ。優しくしてもらったからってそれは友情であって、愛情ではないってことに気づかなきゃいけなかったんだ。あの時に。でも久しぶりに感じたあの温もりはとても暖かくてだからって好きってことにはならないじゃん?バカだ。私。ずっと前からわかってた話じゃんか。こんな人殺しは誰かに好かれてはダメだって。きっとその人も不幸にするから。幸せにしたいのなら別れるべきだ。華夜や朔久とも。
「ごめんね。冗談w」
下手くそな笑みを浮かべて言った。きっと嘘告白した最低なやつだと思ってくれただろう。これでいいんだよね。きっと。
「バイバイ。朔久」
それから私は朔久とも口を聞いていない。
科学部もやめ、華夜とも友達をやめた。私のバイト先を知ってた朔久がくるかもしれないと思ってバイトも変えた。学校生活はきっと順調と言えていない状態だけど私にとったらこれがよかった。誰も傷つくことなく過ごせる。きっとみんな幸せになれる。お父さんみたいにならなくて済む。そう思えば、辛くなかった。
「釆羽!」
「どうして無視するの?」
「だからさ、前も言ったじゃん?いつも恋愛報告してきてさ、正直ムカついてたの。わかる?華夜なんて嫌いだから。」
本当は大好きだよ。華夜。思わずそう口に出してしまいたいほど華夜のことが好きだ。けど突き放さないと。不幸になってしまう。華夜は傷つくかもしれないけどこっちの方がきっといい。永遠の不幸より、ちょっと傷つく方がマシだと考えた結果なんだ。華夜にも幸せになってほしい。だから私は華夜とも友達をやめる。
「どうして?もういいよっ、!釆羽なんて。もう知らない!」
呼び出された空き教室で吐き捨てるように言った華夜。そのあと空き教室から飛び出して行った。その数秒後、私も泣き崩れた。
「ごめんね、ごめんね。大好きだよ、、、!華夜、、、!」
実はいうと告ってから3日後には朔久は学校に来なくなっていた。私と会いたくなかったんだろう。そして今、華夜にも嫌われた。これでもうやり残すことはない。お母さん。もう無理だ。生きるのがしんどい。ずっとずっと我慢してきた。約束守れないや。ごめんね。さよなら。
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