雷鳴よ、俺に轟け

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同時に、俺の胸の奥底に湧き上がって来る強い希望。 (いや、待てよ?!異世界とは言え、俺は生きてるじゃないか……!なら、もう一度、雪と生きて逢えるかもしれねぇ!) 俺は、シュネーを振り返ると、意気揚々と尋ねてみた。 「なぁ?これ、今すぐ東京には戻れねぇの?それとも、その魔王ってやつを倒したら自動で戻れんのか?」 すると、俺の台詞に、シュネーがその美しい顔をサッと曇らせる。 そうして、俺の様子を上目遣いに窺いながら、(おもむろ)に口を開いた。 「……済みません。この国には、召喚をする術は伝わっているのですが、帰す方法は伝わっていないのです」 「なっ、んだよ……?!それ!」 あまりに無責任じゃないか――! 俺は、怒りのままにシュネーの襟首を掴むと、彼に詰め寄った。 俺の余りの剣幕に怯え、ぎゅっと目を(つむ)るシュネー。 その目元にはうっすらと涙が浮かび、赤く美しい唇からは、ひたすら俺への謝罪の言葉が紡がれている。 「ごめんなさい、本当にごめんなさい」 自分の最愛の恋人に酷似した青年が泣きながら謝る姿に、俺の胸はズキンと痛んだ。 が、そもそも、その大切な恋人に二度と逢えないかもしれないのだ。 俺としても退く事は出来なくて――。 「お前が召喚したんだろ?!何とか方法を見つけろよ!」 半ば怒鳴りつける様にそう告げると、乱暴にシュネーを突き飛ばす俺。 羽の様に軽い彼はよろけ、そのまま壁に体をぶつけてしまう。 それでも、俺への文句は一切口には出さず、ただ悲しみを湛えた蒼い瞳で俺を見つめ続けるシュネー。 彼は、俺を見つめたまま、 「……わかりました」 とだけ告げると、静かに隣にある自室に戻っていった。
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