10人が本棚に入れています
本棚に追加
その後。
手当てをしながら、シュネーに話を聞く俺。
ヘリオというのは、どうやらシュネーの恋人らしい。
2人は将来を約束していたのだが、勇者であったヘリオは、仲間と魔王を倒す旅に出たままとうとう戻らず――後日、唯一生き残った仲間が剣だけを届けてくれたそうだ。
曰く、
「彼は魔王の業火に焼かれて、骨すら残らなかった」
らしい。
剣が無事だったのは、この剣が魔法に強い聖剣だったから、なのだとか。
と、そこまで話すと、シュネーは俺に、ヘリオの写真を見せてくれる。
そこで俺は、先程剣を握った瞬間、頭の中にこの世界での記憶が蘇った――真の意味を理解した。
何故なら、その写真に写るヘリオは俺そっくり――いや、俺そのものだったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!