雷鳴よ、俺に轟け

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ライブ終了後、それぞれの機材や荷物を持ち、こっそりと……出待ちのファンにバレないように、ドームから脱出する俺達。 遠目に、ドームの入り口や物販コーナーが見えたが、まだまだたくさんのファンが残って、壁に飾られている俺達のポスターと記念撮影をしている様だ。 (正直、悪い気はしねぇよな) 思わずにんまりとほくそ笑みながら、心の中でそう呟く俺。 と、まるで俺の心の声が聞こえたかの様に、ベースの(ゆき)が俺の頬をむにーっと引っ張って来やがった。 「いってぇな、何しやがる」 すると、俺に向かって小さく舌を出して見せる雪。  「どーせ、良からぬことでも考えてたんでしょ。天誅でーす」 天誅なんて難しい言葉、よく知ってるな。 うちのバンドのおバカ・天然担当のくせに。 俺がそんなことを考えていると、雪はそれすらも見透かしたかの様に、俺の膝の裏に自らの膝を押し当て――昔懐かしい、膝カックンを仕掛けて来た。
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