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「お前って、本当にまだまだ子供だよな。身長も、頭の中身もさ」
俺の身長は190センチ。対して、雪の身長は158センチ。
おまけに腰の位置もかなり違う為、ややつま先立ちをする様にしながら膝カックン攻撃を試みて来るアホな雪。
俺は、そんな彼をひょいと抱き上げる。
そうして、俺はそのまま雪の唇に自らの唇を押し付けた。
「んっ……秀のばか……えっち……。でも、愛してるよ」
熱っぽく俺を見つめながら、はにかむ様な笑顔を浮かべる雪。
雪はその名の通り、真っ白な肌に、腰まである純白の長い髪をしていた。
何でも、『アルビノ』という先天的な病気らしい。
だが、その白い肌と白い髪こそが、雪の儚げで幻想的な美しさを、より引き立てていて――。
俺はよく、「雪の妖精が人間になったら、きっとこんな感じなのだろう」と、思っていたものだ。
そう――メンバー内……いや、俺の周りの誰と比べても、雪の美しさに叶う人間なんていやしなかった。
「俺も、愛してるよ。雪」
愛の言葉を口にしながら、再度雪の桃色の唇を奪う俺。
実は、俺と雪は、小学校からの幼馴染なのだ。
お互い、隣にいるのが当然で――高校も相談して同じ学校に通ったし、部活動見学も一緒にまわった。
(このバンドだって、元は俺と雪の2人が始めたもんだしな)
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