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直哉の声に振り向いたその瞬間――。
俺達の直ぐ目の前まで迫り来る、かなり大型のトラック。
雪でスリップしたのであろうそれは、俺達を引き倒すべく、恐ろしいスピードで――猛然と迫り寄って来る。
「逃げろ!雪!」
しかし、俺の胸にしがみついたまま、恐怖で動けなくなっている雪。
「くそっ!」
俺はそんな雪を引き剥がすと、精一杯遠くまで突き飛ばした。
直後――俺の視界いっぱいに広がる、トラックのライトの光。
同時に、全身を激しい衝撃と激痛に襲われ、俺は意識を失った。
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