三章

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「ねぇ! もう一回! メイクやって!」  舞帆が叫ぶと、新島の目が大きく開いた。 「……え」  地声で驚く新島の前で、舞帆は慌てて指を口に当て「シーッ」と吠える。 「もう一つ、なりたい私があるの! だからお願いします!」  舞帆は言いながら新島に小銭を押し付ける。それでも眼を泳がせる新島に舞帆は言った。 「みちょりんにとって私が一番可愛くなるような、化粧がいいです!」  みちょりんは立ったまま少し考えた後、無言で微笑む。舞帆に椅子に座るよう促した。
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