三章

13/14
前へ
/43ページ
次へ
「ねぇ、隣のおねーさん、チャイナドレスの。めっちゃキレイ」 「ってか色気ヤバい」  女子二人の全然潜んでないひそひそ話が聞こえ、舞帆の背筋がシャキッと伸びる。  ——まるで、爆弾抱えて歩いてるみたい。  みちょりんは同級生に顔を向けると、柔らかく微笑した。  ——いやいや何してんのバレるって! 「堂々としてた方が案外良いかなって」  みちょりんが女の声で呟くと、舞帆が気まずそうに目を背ける。 「管原さんなら考えてることすぐわかるよ」  みちょりんは舞帆を見ながら女声で忍び笑いした。さっきとは立場が逆転している。  ——なんかむかつくなぁ!
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加