四章

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「ありがとね、管原さん」  福井さんが寄ってきたが、舞帆は椅子から起き上がる気力がない。 「あ、お姉さん」 「パック貰ってやって。彩人も助かったみたいだから」 「新島くんってすごいですよね。こんな、私別人みたいになって」 「うん、すっごくカワイくなってる。弟ながら完璧だわ」  ——後で言っておいてあげよう。「お姉さん褒めてたよ」って。 「管原さん、お待たせ。暗くなるまえに行こう!」  白い半袖のカッターシャツに黒のスラックスを履いた、正真正銘の新島が戻ってくる。
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