四章

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 ドラッグストアに着いたあと、新島が脇目も振らずに手に取ったパックは一番高額なものだった。  ——一回こっきりしか使わんのに漫画の単行本より高いの?! 新島くんコレ普通に買うの?! 「これ買ってくれるの?」 「そうだよ。これ敏感肌の人向けのやつでバリア機能も高めるからすごくいいよ」 「いやいやいい! こんな高級なの私の肌に勿体ない!」  新島は気にせずレジに並んでバーコード決済をした後、舞帆にシートマスクを押し付ける。 「今日は貰ってよ。俺からのお礼」 「それはこちらこそ、ありがとう」  新島は舞帆の笑顔をじっくりと見下ろした。
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