53人が本棚に入れています
本棚に追加
施術後
虚脱しているふたりに
「はい、お疲れ様でした。お二方お顔がスッキリされましたよ。」
スタッフが声を掛けた。
ふ、とアレクサンドラがレオンを視認すると
「ぐはぁっ、イケメンが更にイケメンに」
手で目を抑えた。
「な、何言って…サーシャ様だって、」
ふたりのやり取りを見ていたスタッフは笑顔で、『リア充爆発しろ』と思いつつ唇を噛ん
でいた。
『ありがとうございましたー。またのお越しをお待ちしております。』
エレベーターに乗り、部屋に戻る道中
「折角、お互い綺麗になったんだからさ、」
とアレクサンドラが提案する。
「?はい?」
ヴィトゲンシュタイン領
ノイシュテッター写真館
「すまない。予約はしてないが、撮影してもらえるだろうか?」
アレクサンドラが店主に伺いを立てる。
とうに 70 は過ぎてるであろう店主は、白髪を短く刈上げ、度のキツい眼鏡をかけた顔を
上げた。
最初のコメントを投稿しよう!