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第二応接室
「コン、コン」
「失礼致します」
レオンが声をかけると、ガチャリと中からヨハネスがドアを開ける。
レオンの顔を見て、襟元のラペルピンを見ると
「初めまして、私バーヒェンバッヒャー家の執事を勤めておりますヨハネス=エルツベルガーと申します。」
深々とお辞儀した。
「あ、僕は」
ヨハネスはにこりと笑うと
「存じ上げております。旦那様がお待ちかねです。どうぞ」
彼を中に通した。
独り掛けのソファに座る後ろ姿が目に入る。
レオンは深呼吸すると
「お待たせ致しました侯爵様。」
バーヒェンバッヒャー侯爵に声をかけた。
エリアスは顔上げると
「ああ、君だったのか」
まじまじとレオンを見た。
レオンの方も
(瞳の色がサーシャ様と一緒だ。髪の色はサーシャ様より暗めかな)
0.5秒の間に見てそう思った。
「初めまして、レオン=ミュラーと申します。」
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