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「うん?ああ。曾祖母(ひいおばあ)様がマ◯センまで買い付けに行ったとか。そこら辺に置いてある壷も一緒にね。1つで高級車が買えるって父上が言ってな。」
「えっ?玄関からここ迄、10~20個位…」
進む先の廊下にも延々とぶら下がっている。
言葉を失っているレオンに
「年代的に博物館とか展示されてる物だから、買った時の価格よりプレミアが付いてるじゃないか?」
説明した。
「国が財政難になったら全部売り払うんだろうな、」
そう言うとアレクサンドラは笑った。
「こっちはギャラリーだ。」
扉を開けると歴代当主の肖像画がズラリと並ぶ。
比較的新しい現侯爵の隣に掛かる、親衛隊の礼服を着込み、剣を携える全身像の絵画。
赤毛の長髪に美しい女性。
「あれ?これ…サーシャ様?」
レオンが聞くと、彼女は笑って
「ああ、それはおばあ様だ。」
答えた。
「へっ?まんま、サーシャ様…」
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