53人が本棚に入れています
本棚に追加
「さあー?はぐらかされてよくわからないんだ。おばあ様は、行き倒れてる所を拾ったなんて言ってるけど。」
「えっ?誰を?」
「おじい様を」
「…冗談ですよね?」
「うん。だからわからないんだ。本当なのか、冗談なのか。いつもはぐらかされるから。」
「え、えぇ~?」
「ふふ、お館様も本当の事をお話しするのは気恥ずかしいのではないのですか?」
2人のやりとりにヨハネスが声を掛ける。
「あー、まぁ、そうだろうなぁ」
そう言い、アレクサンドラは天を仰いで思案する。
「…思い起こせばおじい様、おばあ様の事めっちゃ好きだったんだろうなぁ。」
「例えば?」
レオンが聞くと
「人の顔見ると、『サーシャ、おばあ様はどこだい?』ってしょっちゅう聞いて、『どっかお出かけじゃないの?』って答えると玄関ホールでソワソワして待ってるんだよね。」
と答えた。
『何ですかそれ!めっちゃかわいい!』
最初のコメントを投稿しよう!