53人が本棚に入れています
本棚に追加
「何よレオンまで。」
アレクサンドラが口を尖らせて言うと
「今となっては笑って言えますが、当時のおじい様の気持ちを察すると生きた心地がしなかったと思いますよ?」
レオンが諭す。
「うん、だよね。おじい様ごめん。」
と、彼女はぎゅっと目をつむり反省をする。
夕食後、サロンで談笑していると
「レオン君は酒はやらないのかね?」
彼の手土産のウイスキーを開けながらエリアスが聞く。
「あ、侯爵様。僕の事は呼び捨てで、レオンと。」
「え?あ?うむ。で、では、私等の事はお父様、お母様、もしくは…」
「では、お義父(とう)様とお呼びしても?」
とレオンの問いに
「う、うむ。」
エリアスは嬉しそうに返事をする。
「あなただけずるいですわ。レオン、私の事も…」
「はい。お義母(かあ)様」
笑顔で呼ぶレオンに、ディアナは両手で顔を覆い天を仰いだ。
その様子をニヤついて見ていたアレクサンドラは
「レオンは酒は体質に合わないようで、相手なら私がしますが?」
父に話す。
最初のコメントを投稿しよう!