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「ウフフ、ありがとうサンドラ!」
レオノーレは笑い、アレクサンドラと手を繋ぐ。
(はあぁ、姫が可愛い…)
庭園で活ける花を摘んでいると、遠くの方で
「ガキーン!わああぁー!」
と声が聞こえた。
不穏に思ったアレクサンドラが、帯刀している刀を鞘事抜くと、空から訓練用の刀がレオノーレ目掛けて降って来る。
「姫!下がって!!」
「ギィン!」
「トス、」
辛うじて鞘で払うと、少し前の草むらに刺さった。
「姫!」
アレクサンドラが振り向くと、レオノーレは驚いて固まっていた。
「だい、丈夫」
レオノーレの無事を確認すると、沸き上がる怒り。
「どこのどいつだー!!無礼者!」
アレクサンドラの怒号が響き渡る。
「すみませーん!すみません!」
生垣の向こうから、1人の隊員が走って来る。
「ひ、申し訳ありません。アレクサンドラ様」
ガバッと土下座をすると、ぶるぶる震え出した。
「どこの隊だ。」
「グレゴール殿下(大公陛下の弟)付きの隊です。」
「新兵か」
「はいぃ」
「…姫めがけて飛んで来たんだぞ。」
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