netter Chefbutler 麗しの執事長殿

3/19
47人が本棚に入れています
本棚に追加
/180ページ
「ウフフ、ありがとうサンドラ!」 レオノーレは笑い、アレクサンドラと手を繋ぐ。 (はあぁ、姫が可愛い…) 庭園で活ける花を摘んでいると、遠くの方で 「ガキーン!わああぁー!」 と声が聞こえた。 不穏に思ったアレクサンドラが、帯刀している刀を鞘事抜くと、空から訓練用の刀がレオノーレ目掛けて降って来る。 「姫!下がって!!」 「ギィン!」 「トス、」 辛うじて鞘で払うと、少し前の草むらに刺さった。 「姫!」 アレクサンドラが振り向くと、レオノーレは驚いて固まっていた。 「だい、丈夫」 レオノーレの無事を確認すると、沸き上がる怒り。 「どこのどいつだー!!無礼者!」 アレクサンドラの怒号が響き渡る。 「すみませーん!すみません!」 生垣の向こうから、1人の隊員が走って来る。 「ひ、申し訳ありません。アレクサンドラ様」 ガバッと土下座をすると、ぶるぶる震え出した。 「どこの隊だ。」   「グレゴール殿下(大公陛下の弟)付きの隊です。」 「新兵か」 「はいぃ」 「…姫めがけて飛んで来たんだぞ。」
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!