遊びたい

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遊びたい

 あれから床を拭いた。  掛け布団は取り敢えずリビングに置いておく。また炎を出されてしまったら。 「まあ、見た目はかわいいけど。ドラゴンはドラゴンだからな。俺が知っているドラゴンから遠すぎることはなさそうだし、それだけは救いだ」  りゅーくんは床で転がったり掛け布団の上で丸まったりしている。  その度にじろじろ見られている気がする。  寝ていると思っても時々瞼を上げて観察しているようにも見える。  転がるにしても一瞬目線が俺に向く。 「警戒されてるよな? どうしたらいいんだ。調べるか」  りゅーくんに警戒されてる? それは日頃の行いが悪いから。  今までの罪を懺悔しながら姉に一万円を献上すべし。 「りゅーくん関係ないだろ、変な項目作るなよ。りゅーくんの世話ができなかったら姉さんも困るはずなのに随分と余裕だな。まるである程度のことは起きてもいいと考えているような。わざわざどうして俺に預けるんだよ、あの人変だろ。くそ、この変な取扱書しか頼れないのはしんどすぎる」  警戒を解くためにはりゅーくんの仲間になるべし。一緒に遊んだり寝転がったりして仲良くなろう。りゅーくんは寂しがり屋です、きっと一緒にいてくれるあなたと仲間になりたいはずです。 「一緒に遊べるような状況ではないよな。これに関してはもう少し警戒を解いたらだ。……待て」  りゅーくんが身体を小刻みに震えているのが見えた。  だんだんりゅーくんの表情が強張っていく。  すると今度は表情が和らいでいって恍惚とした表情に変わる。  まるで天にでも昇るような幸せそうな、……いや。 「これうんこだろ、いや液体の方も、言ってる場合かああああ!」  本当にりゅーくんは俺を警戒しているのだろうか?  警戒してるところでそういうことします?  少なくとも俺は怖くてできないね。  はい。
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