第3章・安住の地で 3ー②

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第3章・安住の地で 3ー②

密林の中の小さな泉は、どこからか湧き出ているのか、月明かりの下でも底が見える程の透明度だった。 アイシャは、久しぶりの水分で喉を潤した。 ここまで来たら、もう、レーダーの類いは届かない。 アルザークからの犬族達の村は全て管理され、その人数や年齢まで中央が把握している。 一時期、白い髪の犬族の人数が流行り病で激減した時には、中央省庁からの命令でとにかく交尾に努めて、人口を増やすように促された。 その甲斐あって白い髪の犬族は幾分か人口が増えたが、未だに犬族の中では一番に人口が少ない。 そんなアルザークの監視からも外れた地の最果ては、どんな世界なのだろうかと、アイシャは思った。 どのみち、もうファイザルには会えないなら、その地の果てに着いた時には絶命してしまいたい。 自らの死をもって、フェリドも諦めてくれるのを願った。 「アイシャ。今日、一日中走り通しだったから汚れただろう。着替えがあるから、替えて。ちょうど泉もあるし、体を綺麗に出来るよね」 フェリドは、服を脱ぎ始めた。 アイシャは、それに背を向けた。 「いい。……このままで」 「良くないよ。雨にも濡れたし、泥だらけだし。お願いだから綺麗にして。……言う事聞いてくれるよね?番なんだから」 アイシャはグッと喉を詰まらせたが、フェリドの高圧的な迫力に押され服を脱いだ。 フェリドには後ろ向きで、泉に浸かった。 天然の水だからか、凍るように冷たい。 アイシャがガタガタと震えているのは、寒さからだけではなく、すぐ背後にフェリドが立っているからだ。 「……アイシャ。……こっち向いて?」 アイシャは首を振った。 「俺にアイシャの全部を見せて?」 フェリドは、力付くでアイシャを振り向かせる。 その美しい象牙色の肌に、フェリドは息を飲んだ。 アイシャの胸や腹、その下腹までも赤い鬱血の痕が露わになる。 月光の下、ファイザルの口付けの痕が、まざまざと浮き彫りになった。 「ずっと、あの王族の男と交尾してたの?」 「あ……」 「王族って、凄い絶倫らしいよね。そんなの犬族の俺達には合わないよ。殺されちゃう」 フェリドは、アイシャの赤い鬱血をなぞった。 「それとも、そんなに王族とするのがそんなに悦かった?……俺の事を忘れちゃう位に」 「やっ……嫌だっ!触るなっ……」 「何で嫌なの?俺は、アイシャの番だよ?アイシャを抱いて良いのは、俺だけの筈だったのに……他のオスに取られるなんてっ!」 「痛いっ!痛いっ!……フェリドっ!」 「ここ、あいつに吸われた?いっぱい、舐められちゃった?」 アイシャの股間の周りは、水の波が立って、バシャバシャと水滴が跳ねた。 「……それに、ここっ!……ここにあいつを挿れたんだろっ!」 「いやぁっ!」 フェリドの指が、アイシャの女陰の割れ目を抉った。 このままでは交尾されてしまう。 無意識でそれを察知したアイシャは、泉の中から這い出た。 恐怖の余りに足元がふらついて、岸へ上がると、その足首を捕まれ、その場に押さえ込まれた。 背後から、尾を掴まれ、尻を高々と持ち上げられる。 そのまま、尻たぶを拡げられた。
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