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第1章・絶望の果てに 3ー①
アイシャは、夕食のダイニングに集まる以外の時間全てを、ファイザルの部屋のベッドに繋がれていた。
その首輪から繋がった鎖は、室内を回れる程の長さがあったので、風呂やトイレには自由に行き来する事は出来たが、部屋の外に出るのは不可能だった。
ファイザルも研究室にいる時間以外は、アイシャの側を離れなかった。
無論、それはただ側にいるだけでは済まされる訳もなく。
アイシャはファイザルに抱かれ続け、ズボンを履く事すらも許されなかった。
乳首も弄られ過ぎて、赤く勃起したままになり、羽織っているファイザルのシャツが擦れて痛む。
アイシャは、既に犬以下の扱いになっている自分の体を惨めに思った。
「交尾したいなら、他の女の所に行け」と言っても、ファイザルは毎夜、アイシャの元へ訪れる。
激しく拒絶していたアイシャも、毎日抱かれ続けている間に、やがて拒むのを止めてしまった。
今では、トゥルカの実がなくてもファイザルを容易に受け入れてしまう。
だが、本来は受け入れるべき場所ではないのに、その体格以上のものを挿入され続けるのは、肉体的にも精神的にも苦痛だった。
「ファイザル様。中央の方がお越しになっていらっしゃいますが……」
「……通せ」
アイシャは、ファイザルが何を言っているのか分からなかった。
たった今まで、セックスをしていたところに、人を入れるなんて何を考えているのか。
アイシャは急いで机から降りて、ベッドの中に潜り込んだ。
その愛撫にまみれた体を隠すものは、ファイザルのシャツだけだったので、そこにしか逃げ場がなかった。
「失礼致します」
入室して来た男は、若い王族だった。
黒い髪の毛を外側に跳ねさせた、ヒト型の王族だ。
その男は、入るなり露骨な程に頬を染め、ファイザルの美貌に目を奪われていた。
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