飽夢(あくむ)という名の現実(うつつ)

グループ愛人(６)

　月曜日から金曜日まで。
　私の夫には、五人の愛人がいる。

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正妻が美月をグループに招待しました。
正妻が灯をグループに招待しました。
正妻が泉水をグループに招待しました。
正妻が樹奈をグループに招待しました。
正妻が鐘子をグループに招待しました。

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　月曜日の美月(みつき)。
　小料理屋を細腕一本で切り盛りする未亡人。味オンチな夫を得意の手料理で手なずけた、包容力の塊のような愛人。

　火曜日の灯(あかり)。
　資産持ち男の後妻に入った、暇を持て余す若妻。家人が多忙なことを幸いに、夫とのダブル不倫を謳歌する奔放な愛人。

　水曜日の泉水(いずみ)。
　占いを生業とする儚げで浮世離れした女。容姿とは裏腹に巧みな話術で夫を洗脳しかける、鵺(ぬえ)のような愛人。

　木曜日の樹奈(じゅな)。
　設計士を目指し建築科で学ぶ、自立心の強い女子大生。男同士の友情にも似た淡白な交流を好む、容姿も気質も少年のような愛人。

　金曜日の鐘子(しょうこ)
　不景気の真っ只中、新卒で大手銀行地方支店へ入行。以来粛々と与えられた業務をこなし、勤続十年目にして役職へと上り詰めた堅実な愛人。