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行方不明
そういえば、食堂の場所聞いてなかったな。夕飯と同じ場所かな?
分からなかったのでフロントで聞くと、違う場所だったらしく、案内してもらえました。その時に、「あちらの席でございます。申し訳ございません。2名様とお聞きしていたのですが、何かこちらの手違いでしたでしょうか?」
と聞かれたので、まだ食堂にも来ていないのだろうと、
「いえ、祖母と連絡が付かなくて」
と答える。
「そうなんですね、お先に食べられますか?」
その言葉を聞き、少し考えました。流石にご飯を先に食べてしまうのは良くないかなと思い、あとで食べますと伝え、また祖母を探すことにしました。
と言っても、どこを探せばいいんだろう。宿の中を探し回ってみるけども、祖母らしき人は見当たらない。フロントに戻ると、またずぶ濡れになった女性が入ってきました。昨日の人だ。何か関係がありそうだったけれど、これからあの人もお風呂に入ったりいろいろしたいだろうと思ったので1度部屋に戻ることにしました。
そして1時間後くらいにフロントへ降りていくと女性がいました。ちょうどお風呂から上がった様子だったので声をかけてみました。
「あの、すみません、80代くらいのおばあちゃんを見ませんでしたか?」
「…いいえ、知らないよ」
私の顔を見てそう答えられる。私はそれに違和感を覚えました。まるで何かを隠しているような。
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