作文

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  雪の思い出               5年3組 浅利悠二  たのしかった雪の日の思い出は、三年前、妹のみなみと庭で雪遊びをしたことです。ぼくたちはキャーキャー言いながら、雪合戦をしたり、雪だるまや雪うさぎを作りました。  すてきなお母さんが、(雪の日は頭が痛いと言って部屋でねていたのに)「外でいっぱい遊んできなさい」と言ってくれたからです。  けせん沼、という寒い地方出身のお母さんは、子どものころ、うるさくしているとおばあちゃんに怒られて、雪の日でもはだかで外に立たされたそうです。うちがそんな親じゃなくてよかったと思います。  手が真っ赤になるまで遊んで、雪遊びはとても楽しかったけれど、ぼくたちが遊んでいる間に、三才のよしろうがお風呂に落ちて死んでしまいました。  この前の年に、赤ちゃんだったいつきの心ぞうが急に止まってしまった時より悲しかったです。  口びるがぶるぶるふるえて、涙が止まりませんでした。その日の夜は、お母さんとみなみと三人で、泣きながらねました。  さびしいことがあったのに、なんでその日が一番の思い出かと言うと、みなみも去年の冬に死んでしまって、もういないからです。  レンジであっためたおしるこのおもちが、みなみののどにつまったそうです。ぼくが公民館の雪かきを手伝っている間のことでした。  流れていたラジオで、今週末は雪の予報だと聞きました。でも、一緒に雪遊びするきょうだいがぼくにはいません。それに、お母さんの頭が痛いのはかわいそうだから、今年もおととしみたいに、雪の降らない年だったらいいなと思います。
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