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明るい未来
今度うちで手料理を。
この言葉が私に魔法をかけて、彩りとなった。
彼と結ばれたら明るい未来が私を迎えてくれる気がしてならない。自然と後ろ向きになりたがる自分とはサヨナラ。その大きな決別が、将来的に彼のため、未来の子供のため、自分のためになり、良い妻、良い母、良い自分になれる気がしたのだ。
彼への好きという感情は日に日に高まっている。
彼と結婚したい。
私は母に報告をした。
千載一遇のチャンスを掴みかけていると。母はとても喜んでくれた。
私の病弱は母からの遺伝に近いものがある。一生治らないものだと思っていたけど、目の前のチャンスにかけてみたい。
母の病弱も、私の病弱も、気にならない未来へとつながる自信までわいてきた。
うちで彼に手料理をふるまうためにも、明るい未来へつなげるためにも、決別が大事な鍵となる。
だから私と母は──あなたを消すことにします。
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