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サクラが「気の良い犬」と言っていた彼は、本当にそうだった。
「我々も、健康でいないといけませんな。できるだけ、最後まで共にいられるように」
「そうですね」
一方のお父さんは。笠井さんとお話を続けている。
「お、注文が来たようだ。じゃあ、我々はこれで」
でも笠井さんは注文した物が来たらしくて、お父さんに頭を下げて、ジンと共にドッグランを出て行った。
「さて。我々も、帰るか」
しばらくして、お父さんもそう言って、ベンチから立ち上がった。
ご主人様がお別れを言いに来てくれた、夜。
僕はご主人様が死んでしまったことが哀しくて、遠吠えをした。
でも、いくら鳴いてもご主人様が帰って来ることはないってわかっていた。
だから。
お父さん達に迷惑をかけないように、一回だけにした。
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