僕があなたを消した理由

46/46
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
 幸せだったから、あなたと離れてしまったことが辛くて、あなたのことを、僕の記憶から消してしまった。  でも。  これからは、あなたのことを覚えているよ。  僕を気遣ってくれる、お父さんやお母さんや、お兄ちゃんやお姉ちゃんがいるから。  この人達と一緒に、幸せに生きていって。  あなたに会える日が来たら、どれだけ幸せだったか、あなたに話をするから。  それまでは、そこで待っていてね。 「行くよ、チャイ」  僕はそう心の中で、お空にいるご主人様に話しかけて。  お父さんと一緒に、歩き出した。  僕の今の「家族」が待つ家に向かって。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!