6人が本棚に入れています
本棚に追加
「チャイ、ただいま」
落ち込んでいると、玄関の扉が開いて、お父さんが帰って来た。
「どうした。お母さんは怪我もしていないし、落ち込まなくて、大丈夫だぞ。お母さんの方がお前を心配して、俺に『チャイが元気がない』って、ラインして来たんだからな」
お父さんは、そう言って、スマホの画面を僕に見せてくれたけれど、あいにく犬の僕には何て書いてあるのかわからない。
「チャイ、ちょっと美味しい物食べに行こうか」
お父さんは立ち上がりながら、僕にそう声をかけてきた。
「美味しい物」という言葉に、僕の心は途端に浮き立った。
嬉しくて、ワンワンと吠えると、お父さんは、笑いながら僕の頭を撫でてくれた。
お父さんが連れて来てくれたのは、公園の近くにあるカフェだった。
最初のコメントを投稿しよう!