僕があなたを消した理由

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 そう言って、信号待ちで車が止まると、お父さんは僕の頭を撫でてくれた。  結局。お父さんは朝一番でご主人様の息子に連絡を取ってくれた。  そうしたら、「今日来てください」と言われたらしく、お父さんは急遽お仕事を休んで、僕をご主人様の所に連れて行ってくれることになった。  お姉ちゃんには黙っておこう、とお母さんと言い合っていて、僕はお姉ちゃんが学校へと行った後、お父さんと車に乗って、ご主人様に会いに行くことになったのだ。  車を駐車場に停めて、車から降りると、花壇にたくさん花が咲いている建物が見えた。  四角の建物に、お父さんと僕は歩いて行く。  自動ドアを通り過ぎると、 「笹原です」  と、動物病院でよく見る受付のみたいなところに声をかけた。 「こちらです」
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