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「元気でな、チャイ……お前が幸せそうで、安心したよ……」
ご主人様は、そう言いながら僕から手を離した。
それが、お別れの合図なのだと、僕にもわかった。
「また来ますよ」
そんなご主人様に。お父さんは、明るい声でそう言った。
「今度の日曜日に。ご迷惑でなければ、またお邪魔させてください」
「ありがとうございます」
ご主人様の息子は、お父さんにそう言って頭を下げた。
けれど。
ご主人様は、僕をにこやかに見下ろしているだけだった。
僕とお父さんは、部屋を後にすると、裏口の方から建物の外に出た。
「……ごめんな、もっとゆっくりと再会させてやりたかったけど」
建物を出た瞬間、お父さんはしゃがみ込んで、僕と目線を合わせながら言った。
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