僕があなたを消した理由

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 けれど。  ご主人様の元に行くことは、できなかった。 ―チャイ……。  その代わりに。  ご主人様が、僕の所に来てくれた。  ご主人様だ!と僕は嬉しくて、ご主人様に飛び付いた。 ―ご主人様、会いたかった! ―この間は、すまなかったね。せっかく 来てくれたのに。 ―大丈夫だよ、また行くから。 ―……それは、もう良くなったんだ。 ―え、何で? ―こうやって、私が会いに来ているだろう?ただ……お別れを言いに来たんだ。 ―……ご主人様……。 ―チャイ。お前と会えて良かった。お前と出会えて、儂は幸せだったよ。 ―ご主人様、僕もそうだよ。  お別れを言い来てくれたご主人様に、「ずっと最後まで一緒にいたかった」とは言えなかった。  
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