6人が本棚に入れています
本棚に追加
お父さん達が、ご主人様が「亡くなった」と言う連絡を受けたのは、次の日の朝で。
亡くなった時刻が、僕が遠吠えした時と同じだったらしくて、お父さんとお母さんは、不思議だね、と言い合っていた。
そして、ご主人様の息子は、お父さんと会って、僕のためにお金を渡して来てくれたらしい。
お父さんは断ったみたいだけど、「父の遺言でもあるんです」と言われたらしくて、「お前の餌代を貰って来たよ」と僕に教えてくれた。
貰ったお金は、僕の餌代にしよう、とお父さんとお母さんは話していた。
「十年分ぐらいはありそうね」と、お母さんは笑っていた。
ご主人様。
お父さんと外に出て、良い天気の空を見上げながら、僕はご主人様に話しかけた。
僕は、ここで幸せに生きているから。
あなたとの生活は、とても幸せだった。
最初のコメントを投稿しよう!