僕があなたを消した理由

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 そうして。  夕方五時半ぐらいになると、ガチャガチャと、玄関のノブが動いて、 「ただいま、チャイ」  と、お父さんが帰って来る。  この家で、帰って来るのが一番早いのは、お父さんだった。  お父さんは玄関に入ってすぐ自分の部屋に行くと、着替えて戻って来る。  動きやすい恰好をしたお父さんは、 「さあ行くぞ、チャイ」  と言って、僕を散歩に連れ出してくれる。  お父さんの場合は、お母さんよりは早いスペースで歩いてくれる。  それから、お姉ちゃんやお母さんと比べて、とても長い。  散歩に出かけて、戻って来るのは、いつも夜の七時頃なのだ。  その頃になると、お姉ちゃんもお母さんも帰って来ていて、僕もご飯の時間になる。 「チャイ、ご飯よ」  そう言って、僕にお母さんがご飯を出してくれる。
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