僕があなたを消した理由

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「わかったから」  お母さんとそんな会話を交わしてから、お姉ちゃんはドタバタと走りながら、自分の部屋がある二階へと駆けあがって行った。 「やれやれ、大騒ぎね」  お姉ちゃんが大騒ぎに家を出て行った後。  お母さんは、ため息を吐きながら、台所から出て来た。 「少し早いけれど、散歩に行こうか、チャイ」  そうして。  そんな言葉を、僕にかけてくれる。  僕は嬉しくて、「ワン!」と返事をした。 「わかったわ、すぐに準備をするわね」  お母さんはそう言って僕の頭を撫でると、エブロンを脱ぎながら、居間へと向かった。  すぐに僕の散歩用のリードを持って来てくれて、散歩の準備をして、僕を家の外へと連れ出してくれた。  僕は嬉しくて、つい、お母さんと散歩する時より、速く走り出してしまったらしい。 「待って、チャイ。あっ!」
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