8人が本棚に入れています
本棚に追加
卒業式の後に熱血担任が集合写真を撮ると言い、ランダムに黒板の前に集まった。
俺の目の前には彼女がいた。
私の後ろには彼がいる。
胸が今までで一番痛くなった。
担任がカメラのタイマーをセットした瞬間、窓から強い風が吹き込み、校庭のソメイヨシノの花びらが舞い込んできた。
白いソメイヨシノの花びらはまるで雪のようだった。
彼女の髪が俺の頬に当たり、彼女は慌てて髪を押さえて振り向いた。
俺は初めて彼女の顔を間近で見た。
私は髪の毛を押さえながら彼を見た。彼は「ごめん」と私の目を見て言った。
私は初めて彼に話しかけられた。
それは最初で最後の願いが叶った瞬間。
白くて
痛くて
儚くて
俺の
私の
雪から生まれた初恋の想い出。
最初のコメントを投稿しよう!