笑う宇宙人【ビジュアル系弁護士シンゴ】鳴かぬなら裁いてくれようホトトギス

ブラッディ愚者《フール》

　ついでにボクの事も自己紹介しておこう。

　名前は明智正義(マサヨシ)。

　シンゴ君とは親友なのだが、もちろん明智光秀とは縁(えん)もゆかりもない。

　正義と書いてマサヨシと言う名前なので、あだ名はジャスティン、または略してジャスだ。

　自分で言うのもなんだが、イケメンだとうぬぼれていた。
　だが女性を前にすると緊張してうまく話せない。

　正直で真面目、一生懸命なだけが取り柄の新米刑事だ。

　今年になって、ボクが務める神奈川県警の管内で連続婦女暴行殺人事件が起き、署内も殺気立っていた。

　派手な身なりのキャバ嬢や風俗嬢などが立て続けに殺害されていた。

　通称、『ブラッディ･愚者(フール)』連続殺人事件だ。

　犯行現場に『愚者(ザ・フール)』のタロットカードを残していくシリアルキラーの犯行によるものだ。

　そして神奈川県警や所轄の懸命な捜査により、現行犯として捕まったのが謎の美少年だった。

　氏名年齢住所不明の謎の美少年だ。

　年齢不詳だが、見た目からすると二十歳前後だろう。
　未成年なのか、成人しているのかも定かではない。
　作ったようなイケメンだ。
　おそらく整形をしているみたいだ。

　しかも彼は、自らを『ベガ星人』と名乗る宇宙人だった。

　そしてこの事件になんと『ビジュアル系弁護士』のシンゴが国選弁護人として関わることとなった。