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勿忘草の花言葉
勿忘草の花言葉：
真実の愛、誠の愛、私を忘れないで
＊
住宅街の片隅にあるひっそりと佇む一軒の花屋さん。
少しも派手ではないけれど、どこか懐かしい店の雰囲気と、あったかくて丁寧なおもてなしで今日も店主は花を買い求めてやってくるお客さんの一人一人に合った最高の花を届けている。
親が名付けてくれた陽葵(ヒヨリ)と言う名前は自分でもすごく気に入っているし、弟の名前が陽日(ハルヒ)と言う名前なのも、本人は気に入らなくたって私は妙にしっくり来ている。
私の自慢の弟はその名の通り、太陽みたいな笑顔が素敵で周りのみんなをいつも明るく照らしてくれるから…。
そんな彼から輝きが少しだけ消えたのは、いつも照らしていたあの子を照らすことができないせいなのを私は知っている…。
今朝、久しぶりにやってきたあのお客さんに、なにがいいか相談されたから。
勧めた勿忘草の鉢植えは、そんなあの子がどうか、弟の陽日のことを忘れないでいて欲しいと願いを込めたもの。
遠慮がちに咲く白いその花をいつかあの子が見つけてくれればいい。
今は少しだけ、心が離れていたとしても…
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