拗れたもの同士

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私たちは今、セフレ同士の関係なんだから…。 それならその方がいい。 お互いに傷つかないで済むし、離れる時だってきっと傷は浅いから。 そう心の中で自分に言い聞かせている。 私は今でもこんなにも好きなのに。 彼の事が本当に心から好きなのに。 それは表に出さない。 だって私は彼のセフレだから。 彼は誰とも本気にならないって私にそう言った。 本気だなんていったら、彼は私から離れていくのかな…。 もう、後戻りできない。 わたしにはもう、彼のセフレとして彼の側にいるしか無いんだ。 だけど勘違いしちゃダメ。 彼は誰とも本気にならないってそう言った。だから私は彼のただのセフレ。彼女なんかじゃない…。 初めて彼の腕の中に抱かれた私は、そんな風に何度も自分に言い聞かせながら、夢にまで見た紺野君の愛を全身で受け止めた。 こんなにも優しく抱いてくる紺野君に抱かれる女の子たちはきっと幸せなんだろう。だから側に居させて、なんて言葉が出るんだろうな… だけどそれは本当に勘違いしてしまいそうなほど… 優しい瞳が私を見下ろしてくる。 優しい唇が私を撫でてくる。 優しい指先が私の肌を辿る。 優しい腕が私をそっと包み込む。 彼は昔から、誰にでも優しかった…。 だからそう、きっと今も…。 これが私にだけ向けられたものじゃないんだってわかってるのに。 勘違いしてしまいそうな私自身に何度も言い聞かせている。 そんな彼の優しい腕の中に堕ちていく…。 次第に激しくなる律動に揺さぶられ頭が真っ白にしながら熱い吐息を洩らし紺野君の腕の中で悦びに喘ぐ声を部屋中に響かせた。
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