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いつしか本当に俺はそんなやつになってしまった。
なのになんで?
なんでそんな俺の前に沢井さんが現れた?
こんな風になってしまった俺の事を沢井さんにだけは見られたくなかった。
もう、会うこともないと思ってたのに。
噂はきっと沢井さんの耳にも入ってる。
だから今さらだ。
どんな顔して会えばいい?
いきなり俺の前に現れた沢井さんに、どんな顔して向き合ったらいい?
そうだよ、俺は噂通りのやつに成り下がった。
ヤルことはヤってるし、自分でも思うよ。ひどいやつだって。
だけどさ。
やっぱり気づいた。
俺は今でも、沢井さんが好きだ。
___多分本気で。
___沢井さんが好きだ。
だからもう、セフレでもなんでもいい。
そばにいられるなら。
彼氏と幸せになってたはずの沢井さんがセフレがほしいっていうんなら。
『水野なんかやめて俺にしろよ。』
あの時は本気でそう思った。
昔は俺の事、好きだったよな?
だからいいだろ?
そのセフレが俺だってさ…。
わかってるよ、沢井さんが俺をやめて他の奴にしたのも。
あの時の俺じゃ沢井さんを幸せに出来なかったって事も。
わかってるよ、今、彼氏がちゃんといるってことも。
だけどさ。
沢井さんは今、幸せなのか?
幸せだったらセフレが欲しいなんて思わないよな?
まだ、俺にも少しはチャンスがあったりするのかな…。
俺の腕の中でうっとりとした沢井さんはあの頃よりも大人になってすごく綺麗になってた。
あんなに純情だった沢井さんはいつの間にか俺の知らない大人な沢井さんになってた。
こんなにも大人っぽい表情をするんだな。
こんなにも色っぽい声をあげて俺の下で喘ぐのを俺はゾクゾクしながら見下ろした。
沢井さんのしなやかな肌を俺の指先や唇が這い、目が合う度に心臓が壊れそうなほどドキドキと高鳴り、キスをする度に俺の体中の血が騒いだ。俺の下半身は何度もはち切れそうになり何度も沢井さんの中で弾けた。
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