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「…雅瞳です」
「どこから来た?上京してきたんだろ?」
「…静岡」
「なるほどな。で?お前は施設にいたのか」
「連絡したんですか?」
「してねぇよ。15か16だな」
「…はい」
「で?お前は何しに来たんだ?」
「仕事を探しに」
「なにがしたいんだ?」
「自由になりたい…」
何言ってんだろ。変なこと言ってる。
「親はいるのか」
「…いますけど、ろくでもないです」
「だから、お前は自由になりたかったのか。友達はどうした?」
「…俺と関わったら、だめなんです。高校行って、大学まで行くんです」
「そこにお前はいないのか」
「いません」
「そうやって、1人になるためにはこうするしかなかったのか。大変だったな。仕事先、紹介してやろうか」
「え?」
「お前の親は、犯罪者か?」
「…」
「そうか。俺は気にしない。ヤクザだけどな?どうだ、いつ辞めてもいいから入るか」
「指切られたり、しますか?」
「いつの話だそれ。ねーわ」
「それなら入ります」
「お前は喧嘩が得意なのか?殴ってたらしいな」
「…たまに、わけわかんないんですけど、殴ってしまうというか…」
「考えるより手が早いだけだ。気にするな」
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