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バイト
結局俺は、大体1週間は寝てすごした。あと、静岡出てから1ヶ月は経っていた。
「おいおい、お前ヤクザになるの決めたって?」
「…誰ですか」
ベットから起き上がっていたら、見知らぬおじさんが話しかけてきた。
「ここの医者だが?」
「え、すみません…」
「身分証もねぇやつを見てやったんだ。感謝しろ」
「ありがとうございました…」
金払えってか…
「もう動けるなら退院していいぞ」
「すみません、…金は全然なくて…」
「てめぇの治療費ならとっくに礼央からもらってる」
「…」
俺の上司?兄貴?の?
「連絡してやるから、待っとけ」
「…ありがとうございます」
つーか、俺パジャマだし。どうしたものか。荷物もない。しばらくぼけっとしてたら、誰かやってきた。
「退院できるってよ」
礼央…さん?うーん、呼べない。
「はい、それで、俺の治療はまだ返せないんですが…」
「それはどうでもいい。とりあえずお前、着替えろ」
紙袋を持っていたけど、俺のための服だったとは。中身は…革ジャン?
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