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今まで着たことないような、そういうやつ着せられた。服なんて、制服とジャージしか着たことないしな。もともと着てた服もジャージだったし。
「髪の毛ボサボサだな。風呂も入ってねぇし。よし、事務所行くぞ」
「…はい」
ヤクザ事務所に、汚い俺が行っていいのやら。
車に乗せられ、知らないところに連れてかれた。そもそも、ここはどこになる?東京?
外の景色は、夜だからかよくわからない。
「降りろ」
「…はい」
なにがなんやらわからずついて行く。ドアを開けたところについて行くと、知らぬ人に行手を止められた。
「誰すかこれ」
「舎弟になった。とりあえずここに住ませる」
「まじすか。すげぇガキじゃないすか」
「そうだな。おい、挨拶しろ」
「…よろしくお願いします」
「はぁ?真面目なのかお前」
「まぁいいだろ。さっさと行くぞ」
なんて言えばよかったんだか。
殺風景な部屋に入る。ここには、パイプ椅子と机と、ソファーがある。
「そこのソファーで寝ていいからな。で、シャワーはそっち。寝巻きはとりあえず俺の服しかねーけど。適当に着てくれ。タオルはそれな」
…舎弟って、弟になるってことなのか?
翌日、寝ていたところ、起こされた。
「おい、雅。起きろ」
「…おはようございます…」
「具合はどうだ」
「大丈夫です」
「とりあえず飯食うから着替えろ。持ってきた」
「はい」
やはり兄貴というものは、俺を弟のようにかまってる。
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