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病室から遥香の笑い声がした。
かわいらしい、そう小鳥が囀るような声だ。
病室に入ると、息が止まった。背が高くて、短髪、痩せ型の後ろ姿。
「……真也さん?」
「……美希さん」
さっきまでの優しい眼差しとは違う。氷のように冷たい視線を感じた。
「なんで、真也さん」
カーテンを開けると、遥香の肩に青いセキセインコが乗っている。
ぴーぴーぴー。翼をバタバタさせて美希を威嚇してきた。
「ぴーちゃん、怒らないで」
優しい声で、遥香がなだめたら、ぴっぴっぴっと大人しくなった。
「遥香、記憶が戻ったのね。真也さんに何を話したの!」
怒りに震える美希の肩を誰かが叩いた。
「槙野さん、こちらに来てください」
医師と看護師が美希を相談室に呼んだ。
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