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美希は真也から告白されて、最高の気分で帰って来た。
「信じられない。ホテル タカナシの後継者だなんて」
マンションの廊下をスキップしていたが、ふと足を止めた。
「そうだ、まずいわ。どうしよう」
美希は眉間にシワをよせて、急に暗く不安げな顔になっていた。
「あっ、そうだった」
レストランに入る前、スマホの電源をOFFにしていたのを思い出した。真也から連絡があるかもと、すぐに電源を入れた。
バイト先の佐倉マネージャーから着信があった。折り返したら、
「美希ちゃん、大変なんだ!遥香ちゃんが帰り道で交通事故にあって」
「えっ」
「〇〇病院に運ばれたんだけど……」
「わかりました。すぐ病院に行きます」
電話を切って、ヘナヘナと床に座り込んでしまった。遥香のことが心配で、ショックで
いや、違う……。
遥香が死んだと思って、一瞬喜んだ自分が怖かった。
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