今度は直属上司

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「それで、清水さんはどこに配属希望なの?」 「私?私はね、そうだな、秘書課」 「ひ、秘書課?」 「うん。だって、綺麗な制服着て、偉い人と一緒に綺麗な部屋でお客様も偉い人だし、店のお客様相手より楽だもん」  な、なるほど……。確かに、めちゃくちゃなお客様がいるわけないよね、役員のお客さんだもの。それに……。 「清水さんならぴったりだね。だって、美人だもん」 「え?あ、ありがとう。私の取り柄はこの顔くらい。後は運動神経も悪いし、頭も特によくない。別に特別いいところなんてない。今まで顔で生きてきたの」  顔で生きてきた?すごい台詞。一度でいいから言ってみたいよ。 「あ、ごめん。嫌みな奴って思った?私から見たら、田崎さんみたいに面白い人のほうがみんなから好かれると思うよ」 「……それは違うと思う。ま、とにかく顔で生きてきたなんて、美人さんだから否定はしないけど、それだけなんてことないよ。清水さん最初からすごく優しくてすぐに友達になりたいって思ったもん」  にっこりと美しい微笑みを見せる彼女はありがとうと言った。
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