恋の勝負ケーキ

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 うそ、パウンドケーキだ。私の大好きなあのフルーツいっぱいのパウンドケーキ。え?課長が手作りしたって事?  私は時計を見て、まだ六時だと気づいてびっくりした。  この匂いで起きたんだ。私ってどこまで食い意地はっているんだろう。  まあ、しょうがないよね。大好きなんだもん、このケーキ。  クンクンしていたら、うーんと言う声がして、課長が目を覚ました。  何を言うべき?彼女とどうなりましたか?いやいや、ここはやっぱり……。 「あの、おはようございます。どうしてここで寝ているんですか?」 「……お前こそ、どうしてここにいる?まだ、早いだろ」  まぶしそうにして窓を見ている課長。 「だって、いい匂いなんです。このケーキの匂い私の大好きなケーキと同じです」 「そうか。それはそうだろ。同じもの作ったんだからな」 「やっぱり店のフルーツケーキなんですね?作り方知っているんですか?材料とか……」 「当たり前だ。このケーキをリニューアルしたのは俺だ」  ええー!? 「課長がこのパウンドケーキを作った?嘘でしょ?もしかして開発課にいた時?」
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