恋の勝負ケーキ

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「ん?」 「どうしてこのフルーツケーキを作ってたの?」 「ああ。このケーキをすみれが大好きなのは知っていたから。お前に告白するため、勝負ケーキを作ったんだ」 「……ふふっ」 「おちたか?」 「ええ、このケーキにはあらがえないですね」 「今何時だ?」 「えっと、六時半」  私を抱き寄せると耳元でささやいた。 「抱きたいが、無理だな。止まらなくなりそうだ。それに、すみれ……多分初めてだろ?」 「……もう、どうしてそういうことそんな顔で言うの?」 「悪いな。俺はこういう顔なんだよ」 「課長……好き」 「は?どうして今そういうことを言うんだよ。俺が懸命に我慢しているんだぞ」 「だって……今度こそ本気なんですよね?ケーキを焼いたくらいだから嘘じゃないですよね?」 「ああ、嘘じゃないぞ」  そう言うとまたキスをした。段々深いキスになって、止まらなくなった。  ベッドへ担ぎ込まれて結局彼も服を脱いで止まらなくなってしまった。 「……あ、ああん」 「ああ、すみれ……やっと、だ。今日は会社休んでいいぞ。課長の俺が許す。俺は昼から出るとするかな……」
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