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「それって……清水さんが綺麗って言うんだから相当綺麗なんだね」
「え?あ、どういう意味?」
顔で生きてきたって言ってた清水さんが言うんだよ。清水さんが認めるっていうことは、つまり相当美人って事でしょ?まあ、いいや。それで誠司さんは午前中いなかったのか。
「今度一度ゆっくり食事でも行こうよ」
「そうだね」
そう言って、別れた。
午後から、フロアで頼まれた入力をこなしていると、話しかけられた。
「田崎さん、本当に成長したわね。さすが二年目だけのことはある」
伏見さんが隣の列からこちらを見て笑っている。
「ええ。おかげさまにて成長しました。でもそれも多分、桜井さんのお陰です」
桜井さんがにっこりと隣で笑う。
「そう?これのこと?」
桜井さんが団扇を見せた。推しを応援するときに使う団扇。
そこにはキラキラモールが団扇のカーブに沿って囲ってある。真ん中には『確認した?』という文字が書かれている。
そう、つまり私のための団扇。桜井さんは私の仕事を見ていてやばいなと思うとき、心配そうにそれを私に掲げるというわけ。
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