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「なんだそれ?」
「まあ、いいです。じゃあ、そのお店へ行くんですね?」
「ああ。来て欲しいと言われてね」
「それで、どうして専務のところへいらしていたんですか?取引のご挨拶?」
「いや。それもちょっと色々あってだな」
「いいですよ。色々あるんですか、大変ですね。じゃあ、頑張って下さい」
誠司さんは、きっぱり言い切った私を見てため息をついた。
「お前は妙にさっぱりしていて、こういうときありがたいような、かといって寂しいような、俺は複雑な気持ちだよ」
「そうですか?そういうときはいい方で考えましょう」
にっこり笑って彼を見た。
「……ぷっ!あはは。すみれはいいな。いつも前向き元気で。お前といるとポジティブになれるよ」
嬉しいな。褒められた。
「何、真っ赤になってんだ?可愛い奴だな。よし、今日は週末だし、じっくり可愛がってやろう」
私を抱き寄せると、頬を撫でてきた。チュッと音を立てて頬にキス。
「またあ?」
「何か文句でもあるのか?今日も料理を教えたぞ。その対価をもらおうか?」
「……そんな言い方ひどいです」
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