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「お前が最初に言ったんだぞ。でも最近対価になっていない。お前も気持ちよさそうにしている。何か別で払ってもらおうか」
「えー?ひどい。最近は私がご飯作ってますよ。値引きして下さい」
「値引きしない。ベッドで返してくれ」
鼻歌を歌う彼に手を引かれて、また寝室へ。長い夜のはじまりだ。
翌日。
彼は昼に実家へ着くように出て行った。私は前日の彼のせいで少し眠くて、彼が出かけてから目覚めた。
最近こればかりだ。本当に何とかして欲しい。
軽くシャワーを浴びて出てきたら、電話が鳴っている。お兄ちゃんだ……なんだろう?
「すみれ、どこにいるんだ?朝もメールしたのに、もう着いたぞ」
え?え?何言ってる?私は嫌な予感がして兄に聞き返した。
「お兄ちゃん、何の話?ごめん、どこに着いたの?」
良かった。今起きたって言いそうになった。本当に危ないところだった。だって……。
「決まってんだろ、お前の家だよ。メール見てないのかよ」
「は?どういうこと?」
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